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原題:Bienes Historie マヤ・ルンデ著

小学校低学年のとき、まだ田んぼだらけだった埼玉県三郷に住んでいた。
田植え前の田んぼは一面レンゲが咲いていて、そこに寝っ転がるのが好きだった。
ある日、家に帰って洋服を脱ぐと、何かがブーンと飛び出してきた。
蜜蜂だった。

僕にとっての蜜蜂は、ピンクの絨毯を敷き詰めたようなあの田んぼの思い出にはいるけれど、いまは高価なハチミツを手に取ることはまずないし、存在自体忘れていました。

「十九世紀半ば:人工巣箱による養蜂が始まる。
二一世紀初頭:世界各地で蜜蜂の大量死が発生。
二一世紀末:世界は瀕死の状態にあった。
一八五二年のイギリス、二〇〇七年のアメリカ、二〇九八年の中国を舞台に、
蜜蜂に関する三つの家族の物語が繰り広げられる。
それらはどうつながっていて、どんな運命を導いていくのか?
――これはただの世紀末ディストピア小説ではない。」

↑表紙の裏側、ソデの部分に書いてあるこの本の紹介文です。
なんの予備知識もなく、偶然読んだのですが、面白かった。
そして、怖くなった。

蜜蜂の大量死のことを蜂群崩壊症候群(Colony Collapse Disorder, CCD)といい、小説の中だけでなく実際に起きていること、そして世界の食料供給の1/3は昆虫による受粉に依存していて、その主役は蜜蜂であること…。
無知な僕は全く知りませんでした。
さらに、ネットの記事を拾い読みしたら、もし蜜蜂がいなくなったら、牛などの家畜が食べる干し草や綿花の生産も困難になるともありました。
ということは、牛肉や乳製品はおそろしい値段になり、着るものはポリエステルなどの化繊ばかりになってしまうのでしょうか。

にわかにそのような世界になるとは想像できませんが、蜜蜂だけでなく、自然界には共存しなくてはならない生命がたくさんあり、それをないがしろにしていれば、痛烈なしっぺ返しが来ることは当たり前なんですよね。

服の中から飛び出してきたあんな小さな昆虫にすら、我々人類の運命は左右されてしまう。
ボーっと生きている僕が思うほど、世の中は強固ではなく、脆弱だったのだ。
そんなことを思い知らされる本でした。

※それぞれの家族、親と子のストーリーも丁寧に描かれ良かったです、はい。




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