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なぜ、彼女が僕に向かって微笑んだのか?








その理由は、










僕がずっと彼女を見ていたからです。

自分を気にしている客に笑いかけるのは、当たり前ですよね。

いやね、彼女、とってもかわいかったのですよ。
しかもポッチャリ体型(←ど真ん中ストライク)。
といっても、けっして太っているというわけではないのですが。

たまたまなのかもしれませんが、
この日、ステージに上がっている子は、
ほとんどみんな細身でした。
世間一般的にいえば、スタイルの良い女の子です。
でも、僕は80番の子ぐらいが好きなんです。
しかし、これって少数派なんでしょうかね。
というのも、お客さんに呼ばれるのは、
痩せている踊り子さんばかりでした。

人の好みなんてそりゃあ千差万別なんでしょうが、
手足が長くてモデルさんみたいな女性と恋愛ごっこができるのですから、
そっちがいいというのも、まあ当然なのかもしれません。

というわけで、80番ちゃんには、なかなか声がかかりません。
けれど、他の女の子がタラタラ踊っているのに対し、
彼女だけはときたま腰を上下にくねらせる、セクシーなダンスを披露していました。
よっぽど僕が呼んでチップでもあげようかとも思いましたが、
ペイバーするつもりのないカップルにドリンク一杯ご馳走になったところで、
彼女が迷惑するだけでしょうから、やめておきました。

そんな感じで1時間ほど店にいましたが、
ビール2本飲んだところで帰ることにしました。
(ちなみにビール1本145TBでした)

結局僕らが席を立つまで、
80番の彼女は指名されることなく踊っていました。



で、翌日。
タイですごす最後の夜がやってきました。
夕飯のあと、豆狸にいいました。
「もう一度、ナナプラザに行ってみない?」
「え~っ、また行くの?」
2日続けて風俗店に行こうという僕に豆狸は呆れていました。
しかし、僕は80番の子が気になっていました。
正直にいえば、もう一度彼女を見てみたかったのです。

ということで、豆狸をうまく言いくるめ、
トゥクトゥクに乗って再びナナプラザを訪れました。
2度目ですから迷うことなく昨夜と同じ店に入りました。
今夜も彼女はいるだろうか…。

案内された席に座りステージを眺めると、
果たして彼女は踊っていました。80番の丸い札を付けて。
ミラーボールの光線をつややかに反射する、深い黒い髪を揺らして。
大きな瞳に、高いけれどほんの少し上を向いた鼻。
彼女を見つめ「今夜は誰かに呼ばれるだろうか」、
そう思いながらビールを飲んでいました。

しかし、2本目のビールもあとわずかという時間まで彼女は踊っていました。
さすがにビールだけ飲んで長居するのも気が引けるので、
そろそろ帰ろうと思ったとき、彼女はステージから降り、
僕から2、3席となりの方へ歩いて行きました。

見るとそこに座っているのはかなり高齢の男性でしたが、
身なりはきちっとしていて、若い頃はもてただろうなと思わせる、
いわゆるロマンスグレーな方でした。
まったく余計なお世話ですが、僕は80番の彼女が呼ばれて、
「ああ、よかった」なんて思っていました。

僕はフロア係りの女性に会計をお願いし、
釣銭を待っている間、このあと、あの二人はどうするのだろう?
そんなことを考えていました。
そして、出口へ向かう前に、ちらっと彼らの様子を覗いてみました。
するとそこには、ロマンスグレーとディープキスをしている彼女の姿がありました。

店を出て歩いて駅へ向かいました。
飲み屋と化した路上のテーブルから、
何人もの派手なお姉さんたちが「一緒に飲もうよ!」と声をかけてきます。
陽気な彼女(彼?)たちの笑い声に、
僕はなぜか笑い返すことができませんでした。

隣を歩く豆狸がポツリと言いました。
「80番の子、子供いるかもね」
えっ!
びっくりして「なんで?」と訊きました。
「なんとなくだよ。体型とか、かなあ…」

もちろん、豆狸の推測は間違っているかもしれません。
しかし、世の中にはバカな男性にはわからないことがいくらでもあります。
「当たってるかもなあ…」
彼女が腰をくねらせて踊る姿を思い浮かべながら、
僕は心の中でつぶやきました。





以上、バンコクのゴーゴーバーへ行ったときのお話でした。

この手の店があり、そこで働く女性がいて、
彼女たちを求めてやってくる男性たちがいる。
いいことじゃないのかもしれませんが、
じゃあ、なくした方がいいかと訊かれたら、
それもどうかと思ってしまいます(実際、喜んで行ってるわけだし…)。

まあ、人間が地球上に生きている限り、
なくならないんじゃないでしょうか。
良い・悪いは別にして。

今夜は80番の彼女の幸せを祈って乾杯します。



もう一回行きたい…



《タイ・カンボジアの話は今回で終わりです》


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