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2012.07.17 後楽園ホール


たぶん十数年ぶりだと思うけど、
ボクシングを見るため、先週の金曜日に行ってきた。



最近、村木田一歩さんという方が書いている
「リングサイドコラム」というブログを偶然見つけて、
そのブログを読んでたら、
無性に生でボクシングを見たくなってしまったのだ。


この日は東日本新人王の準々決勝が行われていて、
キャリアの浅い若々しい選手ばかりの試合。
あっ、でもミドル級に2戦2勝の35歳って選手がいた。
35歳でプロボクサーとしてリングに上がるって、
よっぽど覚悟があるよなあ〜。

久々に見たボクシング、いいねえ。
それも後楽園ホール。楽しかった。


それこそひと昔前は後楽園ホールにちょくちょく通っていて、
今はジムの会長になっている人たちの試合よく見た。
大橋秀行、川島郭志、赤城武幸、吉野弘幸(←青戸でジムやってる)などなど。

あの頃はまだ分煙なんか徹底されてなくて、
ホールの通路はタバコの煙がすごかったし、
雰囲気もなんというか、怪しい感じで、
ヤーさんみたいな格好の人たちがいっぱいいた。
一度、トイレの中で、そういう人が子分みたいな若造に、
「早く渡せっての」といって筆箱みたいなものをぶんどって、
開けると注射器が入っていて、それを腕にチューって打ってるのを見た。
「まじかよ〜。こんなに堂々とヤクってやっちゃうの〜」とビビったが、
今から思えば、あれはインシュリンを注射してたんですね、たぶん。


そんな後楽園ホールで最初にボクシングを見たのは、
17歳か18歳の頃だったと思う。
中学校の同級生のデビュー戦だった。
それほど仲が良いわけでもなかったけど、
誰か他の友達に誘われたのか、一緒に応援するため後楽園ホールに行った。

試合はボクシングというより、
ただの殴り合いみたいに見えた。
テレビで放映される世界戦のようなカッコいいものとはほど遠い、
フットワークも駆け引きもない、
お互いブンブン腕を振っているだけの試合だった。

そう、ただの殴り合いだった。
見ている僕らにとっては。
だけど、高校を中退してボクサーになった同級生にとっては、
リングで闘う必要があったのかもしれない。
ただの殴り合いに見える一方で、
彼のなかにとどまっていたエネルギーが、
ほとばしるように放出しているのが感じられたから。


試合は引き分けだった。
同級生はリングを降りる前に応援していた僕らの方を見て、
片手を少し上げて微笑んだ。
ついさっきまで人を殴っていたとは思えない優しい目で、
照れるような、はにかんだような、
でも充実感のある素敵な笑顔だった。

僕は会場をあとにして帰宅した。
翌日、試合後に同級生は控え室で倒れ、
そのまま亡くなったことを知った。

後楽園ホールへ行くと、
いまでも必ずあの笑顔を思い出す。






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